穴の道

くじけそうになる。
幼い自分がわたしにささやく。
その道は危ない。
わたしは恐怖の穴の中にまた戻ってしまう。

これを繰り返し、
何度も何百回も何万回も繰り返し、
もうこれはダメだと悟るまで
他の選択肢をしなければと思えるまで、どれだけ大変な道のりか。
自分の暗い暗い穴は、恐れに満ちているが、馴染んで心地いい。

穴の中に光を当ててよく見てみると、
そこに落ちているのは、恐れ、欺瞞、見栄、プライド・・・
ろくなものはなく、すべて過去のもの。

ああもうここには自分の求めるものはない、
何よりこの穴にいると、
自分が楽しくも何もなく、つまらないではないか!!

もう外に出てみたい。
外にでると、あまりの眩しさに
自分自身の暗闇が、見透かられそうに感じて、
中に引っ込み、そして、また外に出る。

これを繰り返し、いつの日か、
穴の入り口が最初よりは大きくなったようだ。
穴は大きくなり、もはや外と内の差がなくなっていた。
穴の中まで、外の光は差し込み、
もう外に出ても大丈夫だろう。
もう内にいても大丈夫だろう。
もう、自分自身でいても大丈夫と知るだろう。

時間をかけて歩んできたこの道は、
決して裏切らない。
自分の中の道だ。

あとは自分の中の道を歩んでいくだけだ。
最初からそうであったように。